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あれから時間(とき)が経てば

 何か知らないが、今現在こういうことになっているらしいので、広告ネタが使えず困ってます。早いめに復旧していただきたいですが、そこはあまりムリを押し付けるわけにもいかない。でも早くよろしく。
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 そんなわけで、今回はコレ。

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 先日観てきた「新・のび太と鉄人兵団」ですが、このたび旧作を借りることができたので、違いを検証してみたい。本館でその旨を書いたのですが、都合上こっちで。この頃にはまだ、アニメ映画がシリーズになること自体がまずありえないことでしたので、わざわざ「映画化7周年」と銘打たれてます。ちなみにこの写真は、劇場予告のタイトル。以下、あとは続きで。

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 まずは冒頭のシーンから。これは街並み。新作では、侵攻作戦を宣言するメカトピアの描写があった。それ以上に重要なのは、最後のメカトピアが生まれ変わるシーンで大事な意味を持つ、3つの回路と歌ですね。

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 新作での「のび太のムチャ振りに対処する」はさすがに後付けでしたが、旧作では(舞台設定が)夏場ということもあって、アイスクリームが出てきた。この後のやり取りは、さほど差が無かった。

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 で、タイトルになるのですが、この頃ではまだCGが普及し始めた頃ですので、このタイトル画面は画期的だったでしょう。最初に国内でCG使ったのは「タイムボカン」だったし。最も、この頃には「ビデオ戦士レザリオン」でも、レザリオンがCGモデルで作られたものということもあって、徐々にTVなどの映像メディアで、CGが使われ始めた頃だということですね。

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 そして完成したザンダクロス。胴体部分はわりとのっぺりしていましたね、旧作では。新・ではわりと胸の部分ががっしりしていた。ちなみにこのザンダクロスを基にデザインされたのが、「Zガンダム」の百式だということを最近知った。確かに百式には既視感を感じていたが。

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 で、湖でラッコ状態のザンダクロス。この事からしずかちゃんが、「ラッコちゃん」と名づけようとしていたが、いくらなんでも夢見がちすぎるぞ。このあたりも新・ではそのままだったが、わりと簡略化していた。この後のび太が候補を挙げるが、その候補が「アントニオ」とか「ダンプ」だったのは、監督がプロレス好きだったから??

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 新・では原作まんがに沿って、「マジンガー」とか「ガンダム」だった。

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 で、リルル登場。旧作では前フリなしなので、唐突な印象。ちなみに新・では、もう少し模様が増えている。

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 旧作では、公園で実演してました。新・では、市街地でやってたので、ミラービルに写りこむのが印象的。のび太の新体操も、しずかちゃんのバレエも、旧作でやってたのね。原作ではやってなかったと思うが、それはまたコミックを読めばわかるでしょう。

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 で、しずかちゃんが出してしまう光線砲。旧作では腹から出すのでした。新・では「目からビーム」。後から登場する武装には、「肩からミサイル」があります。

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 チナミに、旧作でのザンダクロスのコクピットはこんな感じ。わりと「銀河鉄道999」のイメージ。新・ではもう少しスッキリしていた。

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 実はリルルの後あたりで、のび太とスネ夫のプラレスバトル…違う。ミクロスの発想の基は、きっと「プラレス3四郎」なのでしょう。ともかく対決の約束をしていたのだが、ザンダクロスの件は伏せることになったので、30分待ちの二人。ここでリルルと鉢合わせるのだが、新・では昼でした。今の時代は、未成年が夜7時以降出歩くのが難しくなっているからですね。この時のリルルを見て、「あんなのが不良に走るんだ」と小馬鹿にしていた二人でしたが…

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 その直後の映像。この二人も人のこと言えないぞ。それにしても、リルルはこの時の服を、どこで調達してきたんだ??まさか「ターミネーター」のように、身体のサイズが合う誰かから強奪してきたとか!?

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 あちこちを探し回るリルル。学校には「隠せるほどの大きな建物」ということで。野比家を見たとき、「狭くて小さい」とバカにされ、「悪かったわね!!」と怒るママ。新・ではこれが4回もあったのはワロタ。ママ不憫…。

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 学校の描写のすぐ後、のび太がこの二人にとっちめられたところで、リルルがミクロスを操作することで、電子頭脳が故障してしまいます。そのあたりの描写が若干新旧で変わっていますが、旧作ではドラえもんがミクロスに新しい頭脳を取り付けます。これにより、ミクロスが自立式になるのですが、新・ではこれがありません。残念。これを条件に勘弁してもらうので、それに替わるものがあっても良かったと思うのですが。

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 鏡と釣堀の話を持ち出すと怒り出すのび太。派手にコケてくれます。この後、鏡面世界に向かうのび太(と、それを追うドラえもん)。このあたりの流れは、それほど差はない。

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 しかしのび太の危機に、ポケットからなかなか思うように必要な物が出てこない描写は定番ですが、まさか苦手なネズミまで出てくるとは…。このへんはお遊び。

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 昨夜地球の危機を人知れず救ったのび太は、歩きながら寝るというスゴイことをやってのける。学校で寝ている描写は新・でもあったが。

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 で、ボウリングの玉みたいなザンダクロスの頭脳・ジュドから、鉄人兵団の侵略を聞き、いろいろなところに電話するのですが、旧作ではドラえもんも電話しています。カタコトの英語で(◎´∀`)ノ。ちなみに新旧の最大の違いは、旧作が「こども電話相談室」で、新・が「特命係」だったこと。これも時代の流れ。「こども~」は、当時小学館が協力していた電話サービス。ちなみに、ドラえもんが「この映画を観ている人しか信じてくれないよ」というのは、いわゆる楽屋オチの流れですね。

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 仕方なく、ジャイアン・スネ夫を探す。ミクロスにアカンベーをされてしまうが、のび太のイジワル問題に苦戦するミクロス(写真は2回目)。これは原作まんがにあった、旧作だけの描写。このあと、二人が大慌てするのは新旧とも。

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 ジュドを味方につけようという提案で、ジュドの中身を「見たこと無いパーツばかりだから、見たことあるパーツに交換しよう」という、いささか乱暴なやり方をする。これはやや問題ありですね。だからって、新・でカリメロもどきにされるのもイヤですが、なんとか説得を試みるという点では良心的。ちなみに旧作ではオヤジ声でした。新・ではピッポ状態とバランスを取るため、シュビッチが声をアテてましたが。歌のことも含めて。

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 旧作では、ミクロスも鏡面世界に入るので、ロボットたちに仲間扱いされて見逃されるという描写がある。その後、しずかちゃんと合流します。新・ではミクロス自身が参加しません。

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 強引にジュドを仲間にしたため、ザンダクロスが前線基地を破壊します。新・ではピッポが協力してくれませんので、のび太たちだけでゲリラ戦を展開します。基地の中でメカトピアの通信を聞き、侵攻を知るのは新旧とも変わらない。

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 金属探知チョークを引くドラえもんですが、ミクロスが中にいるため、コイツでも反応します。新・では引いてたかな??

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 鏡面世界でリルルを介抱するしずかちゃん。彼女を見つける描写も、それほど変わりありません。で、修理(ロボット用救急箱で)するのですが、いやにけしからんなリルル。

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 リルルからメカトピアの歴史を聞くことになったしずかちゃんですが、この辺の描写は原作ではあまり語られなかったはずですが、こちらも昔のことなので十分に覚えてない。

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 コレに対してしずかちゃん、「まるっきり人間の歴史と同じ」と言い、リルルの怒りを買う。この辺の描写は、原作では描かれなかったと思うのですが、よくわからん。新旧共に、この描写があるのは、丁寧で良いことです。指から光線を出す部分でカットが変わっているのは、当時の作画技術の限界ですね。ちなみに新・ではリルルとジュドの、メカトピアでの描写が増え、両者のパートナーシップが描かれていたのは良いこと。二人が先遣隊で送られたわりに、その辺の描写が旧作では無かったのは不親切だったな。でもリルル、メカトピア住民が「自分たちより劣っている」と言っている、人間の姿を模していて、よく差別を受けなかったな。あれだけ選民思想が四角四面な回路設計のメカトピアで、何も無かったのは最大の謎だ。

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 攻撃を受け、リルルを見捨てようとしたしずかちゃんでしたが、「放っておくことはできない」と戻ってきます。わざわざ説明ありがとう。新・では特に説明なし。脚本学では、「セリフなし」が一番説得力がある、と聞きましたので、それに沿った作りですね。原作では、1コマ説明だったはずなので、どちらかというと脚本学に沿った作り。というか、まんがではその方が効果的でしょう。でも新・の方で、しずかちゃんの部屋の中にメカトピア製の回路が飾られてあったのは謎だ。

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 翌日、やむなく睡眠薬でリルルを眠らせるのですが、リルルには見透かされてたため、このように吐き出します。悪い顔に出来てますね…。新・ではもう少し控えめになってました。

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 湖を鏡面世界の入り口にする際の演出。右が鏡で、左が湖面です。単純ながら、よく出来た演出です。新・ではCGだったかな??

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 霞ヶ関駅入り口付近で、リルルを見つけるのび太。旧作では「探し物ステッキ」で探してましたが、新・では適当…これはいかんだろ。そして、この世界のからくりを暴かれそうな時ですが、それでもリルルを攻撃できないのび太。リルルはそれを「いくじなし」と言ったが、それがのび太のやさしさなのです。だからこそジャイアンも手を貸すし、リルルも後の描写に繋がります。彼女も、のび太やしずかちゃんを裏切らなければならないのが辛いのです。だから「いくじなし」と言った。これ、原作にあったかな…??

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 で、国会議事堂で緊急会議を行うリルルとメカトピア司令ですが、リルルは「答えたくありません」と進言。さらに侵攻を中止するよう求めるが、裏切り者として連行される。この辺の描写は、新旧共に変化なし。違いがあるとすれば、新・では大通りのど真ん中で行われたということ。原作ではこの描写は無かったと思うが、どうなんだろう。

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 その後リルルには逃げられる結果になったが、そのまま侵攻作戦は続行。旧作ではこのように、衛星軌道から眺めたことで見つかったが、新・では司令が要塞艦に乗っていたため、衛星軌道部隊からの連絡を受けて、画像を見ることで発見する。

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 そして今作最大のポイント、「神様に文句言ってやる」という描写。旧作ではミクロスですが、新・ではリルル自身。ミクロスの知能はスネ夫並みなので、こういう思いつきはミクロス程度でなければおかしいのですが、新・ではミクロスの出番がありませんので。リルルも、のび太たちといるうちに、その感性に流されてしまったので、より仲間らしくなったという解釈で。

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 このように、3万年前のメカトピアに向かうのですが、このワープ描写もCGです。ちなみにタイムマシンを使うため、野比家にどこでもドアで向かったしずかちゃんたちを、のび太の部屋で出迎えたのはママでした。新旧共に変わりませんが、旧作では掃除機かけてた。新・では洗濯物たたんでました。

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 メカトピアで神様に出会い、神様の提案で「思いやる心を植えつける」とまた、物騒な発言をしてくれました。わりとこの辺、簡略化されてしまい、残念な部分。新・では原作まんがに近く、その辺の流れをしっかりと書いていました。競争本能を、(一方的に)悪いことと扱わなかったのが、今回の新・の優秀なポイント。原作ではそう取れそうな描写だったし。ちなみに画像の奥が燃えているのは、侵略軍の作戦で、森を焼き討ちされているところです。つまり戦力をあぶり出す作戦ですが、新・では描かれなかった気がする。焼き畑農業も問題視されてるし。

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 病気で倒れた神様に代わって、リルルが「本物の天国を作るため」に歴史を変えるという大罪を犯す、最大の見せ場です。この辺の描写も随分と短絡的に済まされてました。新・では原作に沿った作りとなっており、丁寧に描かれています。昔はまんがとセットで見せることを押し付けたかったのでしょうね(その表現は乱暴だぞ)。

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 で、旧作のメカトピア侵攻軍壊滅シーン。電気が流れるような演出がされていますが、新・では最近の演出方法に従ってか、徐々に透き通っていきます。リルルの描写は、あまり新旧変更がありません。とはいえ、神様が事切れてしまったため、「思いやりの心」をどうプログラムすればいいのかわからないリルルが、自らの回路をメカトピアの祖・アムとイムに移植することにより、彼女が自らの存在さえも犠牲にして、友達を守ろうとする姿が、一番の泣き所です!!crying
 他に違いといえば、ミクロスがいることによって、彼のセリフ「ボクもナミダがながせる機能がホシイ・ググ」があったことです。そしてもちろん、ザンダクロスも消滅するのですが、新・ではまさに「心を通じ合わせた仲間」として共に戦っていますから、強引に味方に引き入れた戦略兵器として扱った旧作以上に、ザンダクロスの扱いは、血が通ったものとなっており、このシーンは新旧共に泣けますが、新・ではザンダクロスのことも含まれていますので、より泣けます!!cryingさらに、旧作では「何だかわからなかった」とありましたが、ザンダクロスの頭脳であるピッポが消滅することにより、のび太の悲しみがより強く印象付けられます。でも3万年も時間を越えて心を通わせられるリルルとピッポは、交信方法を無視していますが、同じ回路を使っているということで、何とか説得力が持たせられます。

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 先生に居残りを言い渡されたのび太ですが、生まれ変わったメカトピアに思いを馳せています。その時に、このようにリルルが現れるのですが、その前に新・ではドラえもんがのび太の様子を見に来ます。のび太の沈みぶりは、誰にも想像のつかないことです。それこそ、この映画を観た人しかわからないでしょう。で、想像している頃にリルルが現れるのですが、新・ではピッポを思わせるような、鳥の存在があります。副題としてつけられた「天使」の、翼にアテたかったのでしょう。旧作のように、姿を覗かせるのも楽しいですが、新・では一瞬だけ見せることで、存在を引き立てています。

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 その姿を見て、すぐにみんなに知らせに行くのび太。もちろん、見たのは幻なのかも知れない。しかし、きっと生まれ変わったと思いたい。それはのび太以外のみんなも一緒でしょう。だからエンディングで、むきになったりしているジャイアンの描写も何か楽しい。この後、みんなで画面を観ている人たちに手を振ってました。そしてエンディングは、リルルがグリッドラインの引かれた電脳空間を飛び回っています。このラインも、CGで描かれたもの。この辺は「TRON」の影響かも。なお、制作協力にシャフトの名前があって嬉しがったのは、わりと最近の人の反応でしょうね。

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