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鉄人兵団

ROBOT魂 ザンダクロス Toy ROBOT魂 ザンダクロス

販売元:バンダイ
発売日:2011/05/31
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 「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」より、まさかのザンダクロスが登場!?というか暴挙だ!!どんな冒険心だ。どうして僕らは、大人になるんだろう(それは別の映画だ)。

 ともあれ、少年時代の夢・ザンダクロスがこのように商品化されるのは嬉しいことです。初期の映画版のザンダクロスは少々、ずんぐりむっくりな印象がありましたが、今度のザンダクロスはスマートです。そして、25年の歳月が流れてもカッコよく、それでいてどことなく愛嬌のあるデザインは、藤本先生ながら見事な出来栄え。目から光線は発射しなくても、肩のミサイルランチャーは展開して欲しいな。

 ここからは「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」のお話です。本館の記事を転載したものではありますが、若干変えています。ちなみに横のリンクからも飛べますが、この文章の原文となった本館の記事はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/315psyga/e/19e34d5acb41ea4e754c631b5772fc71

 これも昔観たことがあったのですが、よく覚えていたのはマンガ版。アニメの方はなぜか覚えていない。しかし当時、とても感動したことはよく覚えている。特にロボットもの好きだし。ザンダクロスは今見てもカッコイイ(藤子Fとしては珍しく)。初出のころはロボットアニメの晩年期ということもあって、わりとリアルロボット路線の時代背景も含まれての設定だったのだと再認識。というか、メカトピアの侵略を非難する描写は、「Zガンダム」最終話で、カミーユがシロッコを非難する描写の基になったかと思うくらい。それにしてもドラ映画ということで、他の作品に比べて子供たちもわりとおとなしかったですが、率直な感想としては…泣けました。作品の良さもあり、子供も泣いていた。
 話の流れはそんなに昔と変わりはありませんので、わりとネタバレみたいなことは書いてしまいますが、あくまで演出や変更点の部分で。今回冒頭で、スネ夫のロボット・ミクロスをうらやましがるのび太が、ドラえもんに巨大ロボットをおねだりし、それに腹を立てたドラえもんが北極に向かったのを追ったのび太が、巨大ロボットの部品を拾うのは、当時と同じ。のび太は世界の中心か!?しかし、ミクロスの特徴を説明するのび太の要求に、ことごとく態度で示すドラえもんが逆に凄いわ。それにしてもミクロス、今回はスネ夫のモビルトレースシステムでしかない…いくら今の声が関智一だからって。そのため、今回のミクロスは大した特徴無し。そして巨大ロボット=ザンダクロスを、人目につかない鏡の世界で組み立てる。何せ野比家は、古くて狭いから…劇中、4回も周りにコケにされて腹立ててたママが面白かった。
 ザンダクロスを完成させ、鏡の世界で楽しむのび太だが、思わぬ事態を引き起こしてしまい、破壊兵器であるザンダクロスを、鏡の世界ごと隠すことに。そこまででわりと、ザンダクロスの(ロボットとしての)描写がしっかりとあったのが好印象。その辺は、破壊兵器としての描写も含めて、遊んでいる部分は別として。スネ夫に対抗して見栄張ったこともすでに興味なく、問い詰められても放っておいたのだが、偶然にも鉄人兵団からの尖兵・少女リルルの登場で事態が変わる。彼女の言うジュド=ザンダクロスのことを知られてしまい、持ち主である彼女に返すものの、鏡の世界で侵攻の準備を進めるリルル。あとは筋書き通りなので割愛します。とはいえ、そんな「ロボットの軍団が、地球を侵略に来る」という話を、あっさり信じるジャイアンとスネ夫が、いくらなんでもあっさりしすぎ。というか、パニクッて色々なところにのび太に電話させるドラえもんだが、最後に特命係が出た時は吹いた。

 今回最大の変更点は、ザンダクロスの頭脳=ボウリングの玉みたいなやつ(便宜上ジュドと扱う)が、ヒヨコみたいになること!!正直これは、時代の流れとはいえ余計な要素だと思う。緊張感やメカニック描写が殺がれてしまうし。いくらゆるキャラブームだからって。でも毒舌は面白い。でも姿を見てたら、カリメロを思い出した。わからない人には、バッドばつ丸といえばわかるかも。他の要素としては、そのボウリング玉=ジュドとリルルの、メカトピアでの描写が増えたこと。メカトピアでは徹底したカースト制度が如かれ、労働者階級が娯楽を有することができなかったこと、それに対する差別にデモ運動が活発化し、奴隷解放運動のような条約が締結、新たな労働力として、ロボットよりも劣る人間を労働力として連れてくること、という目的部分も増え、敵側の歴史的描写が丁寧に解説されたのは、今ひとつわかりづらかった当時とは改善された点です。とはいえ、あくまで漫画しか知らないので、実際の映像作品には存在していたかも。それに対してのしずかちゃんのツッコミ、「人間の歴史と同じ」という部分と、それに激昂するリルルの描写も、メカトピアの選民思想をきちんと描いた描写だと思う。さらに、人間の優しさに理解を示したリルルが、同胞に情報をバラさなかったこと。昔あったかもしれないが、これは今作の要素かと思われる。こういうのを改善というのだ。
 あとはストーリーの根幹に関わる部分で、「一つめは愛…二つめは願い、3つめ~」というこの歌が、物語の一番のポイント。冒頭に流れるこの歌も、今回の話で追加された要素。これはメカトピアのロボットに埋め込まれた、三原則ということで良いのかな。それを示す、星型の鉱石(=回路)が、今回の最大のポイント。これが、最後に重要な役割を果たす。「ひとつになれば、大きな力が目を覚ます」というキャッチコピーのとおり、たった5人で世界を守ろうという友達のために、最終的には歴史すら変えてしまうという大罪まで犯すという、いくらなんでも大きすぎだろ、という感想。映画ですから、こういうオチもありでしょうけど。
 ネタバレにはなるが、最後の重要な部分が一番の変更点かと思われます。メカトピア建国の部分において、メカトピアの神=開発者が設定した「競争本能」が、本人曰く「悪い方向に働いた」という分析のとおりである。ちなみに、この「悪い方向に~」というセリフになっているのも、重要な改善。初出(漫画版ですけど)ではこういう文脈ではなく、作者本人が一方的に「悪いこと」と扱っていると取られかねなかったので。やっぱり競争も必要ですから。そしてそれを改善するため、「相手を思いやるやさしい心」をプログラムすることになりますが、その心はプログラムだけではムリがあるし、それだけではリルルが最後のキーを押すには説得力が不足してましたから。それを活かすための3つの回路と、リルルの存在意義を高める重要な描写でした。そしてピッポの最後の頑張りも、のび太たちとの触れ合いで得た、作品の最大のテーマ性であり、ただの「カッコ良く活躍するロボットヒーロー」というだけの存在だったザンダクロスを、血の通った仲間として活躍させる重要な役割を果たしてくれました。

 今回の映画は、なかなか良い改善をしてくれたと思う。でもピッポである必要性は無かったと思うが。ミクロスと合体させても良かったと思うし。とはいえ、今回のやつはなかなかの良策。ぜひとも劇場に足を運んでいただきたい。初出版の観てみたくなった(絶賛レンタル中)。

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